劇とカフェと、猫が好き

綿貫美月です。演劇やカフェ、日常のふと思ったことを綴ってます。

『捨てられない女たち』終演 役の備忘録

劇団hallbrothers『捨てられない女たち』無事終演しました!

ご来場、ご視聴くださった方々、関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。

(配信は9月10日まで購入可能+視聴可能なので、気になってる方はぜひ…!笑)

『捨てられない女たち』千秋楽配信 - Premier Live

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5月から稽古を始めて、なんだかんだあっという間だったなぁ。

座組みんなのあたたかい気遣いのおかげで、福岡⇔神奈川の遠距離でもなんとかできました。

 

 

今回の役は、理想を捨てず、それを表に全面的に出す子でした。

いわゆる『綺麗事』を臆せずに言える人。そしてそれを本心から思っている人。

 

幸田さんから「瑠美はこの劇の中で珍しい善人、いい人。他の人が出す裏とか暗い感情出さない」って言われた時、

「うぁ〜ただのそれっぽい人、になったらやだなぁ」

とびくびくしてました。

私自身人間の暗いところ大好きだし。

どうやったらこんなキラキラ人間になるんだ??

って疑問だらけ。

 

それから、役作り進めていく中で、やっぱり

「なんでこんなに繋がりを作りたがるんだろう?しかも自分が今まで関わりのなかった場所でわざわざ」

っていう疑問が強くて。

そんな良いこと、なんでできるのかなぁ。

ここに通ずる瑠美の人生のエピソード考えるにあたって、最初は成功体験「人と繋がったらこんな素敵なことがあったから、だから私は広めるんだー!」って気持ちで作ろうとしたんだけど全然上手くいかなくて笑

むしろ、暗い後悔、「繋がりが持てなかったから嫌な結果になってしまった。もう繰り返したくない、繰り返さずに済む理想の場所が欲しい」という方向に転換して作ってみました。

今回は、私はこっちの方が合ってたな(元が暗い人間なのか…)

側から聞いたら綺麗事であることを本心で言えるのって、

切にそうでなければいけないと思う→それが叶わなかった時の最悪な結果を知っているから、が私の中でしっくり来たんです。

 

今までと違った方向で役にアプローチできて楽しかったなぁ。

 

キョロさんとの夫婦役も楽しかったです。

今までがっつり絡んだことなかったので、最初どうなるんだろうとちょっとびくびくしてましたが、流石キョロさん、素敵な旦那様を演じてくれました🙌

神谷との信頼がどんどん崩壊していくの楽しかったな、辛かったけど笑

 

 

そうそう、先日のWS を経て、演技にWSで習ったことを活かしてみながら今回やることができて。

前よりももっと演技が楽しくなったし、「舞台上で勝手に感情動いてぶつかり合うってこういうことか〜!」って最高だったんですが(まだまだ改善点はあるけど)

 

た、体力がない…………( ;  ; )

 

今までの演技方法よりもかなりエネルギーを消耗しました(そういう役だったからなのか?いやそれだけじゃない気がする)

でも当たり前よね、辛いことだったり大きなことがあった時、感情大きく動いた後って疲れるもんね。

 

………体力!!!( ;  ; )

 

疲れてる時とか、連続でやる時とかすごいヘロヘロになっちゃってて、めちゃくちゃ悔しかったです………ううう………

 

あれかな、やっぱ走り込みか…?

ランニング…?🏃

スタミナつけねば……とすごく思いました。

頑張らねば…!

 

次の舞台は11月3〜5日、下北沢で『UNDER』に出演します。

年内はこれが最後、良い劇にできるよう頑張ります!

良ければ是非観に来てください✨

 

 

---蛇足🐍---

劇の中で、やっていることがエゴだと、偽善だと言われるシーンが多くあり。

瑠美は偽善やエゴではない、と言ってたしそう思っているけど。

私は、優しさは全て極端に言うとエゴだと思っていて。

あなたのために、あなたに幸せでいてほしいから、と行う行為は、結局「私が」あなたに幸せでいてほしいから、であるなぁと。

電車で誰かに席を譲るのだって、「あなたが立っていて私が座っているのが気まずいから」で譲ったっていいと思うのです。

この優しさが、優しさだと思ってする行為が、エゴなのかエゴじゃないのかなんて考えなくていいと思うのです。

それが客観的に見て相手のためになるのならば。

ハガレンの(個人的)名台詞「偽善で結構、やらない善よりやる偽善」

しかり

BUMPの透明飛行船にある「優しさの真似事のエゴでも/優しさの真似事は優しさ 出会えたらなくさないように」

しかり

BUMPの「ひとりごと」

しかり。

まあ私のただの個人的な考えだけど笑

瑠美が、いつか「偽善と言われても、偽善であっても別に良い」と思えるようになってほしいなと、心から祈っています。

 

「決めつけ、偏見」についてはね、無意識にしちゃうよね、私もしてる。

でも、できるだけ気づいた時はしないようにしたいなと、今回この役をやってより思いました。

『夜が運ばれてくるまでに』っていう本の「きめつけ」っていうエピソードが、すごくわかりやすくてグサっとくるので、私は大好き。