『Le Fils 息子』観劇
前に劇観た時に入ってた折込チラシを見て、気になっていた作品を観てきました!⿻*.·
イキウメの浜田さんが出られてること、あらすじが好み&たくさんの国で上映されてる傑作、という文字に釣られました笑
『Le Fils 息子』
フロリアン・ゼレール作
ラディスラス・ショラー演出
世界13ヵ国で上演された、悲劇的で普遍的な家族の愛の作品。
今度映画化も決まっているそう(観終わったから知った)。
個人的に、結構『家族愛』がテーマの作品が好きで。
恋愛、友愛も大好き。というか、『愛』が好きなんだろうな。
人生に根深く関わっていて、美しいようでどろどろもしている、いろんな感情が混じり合っている感じが好き。
特に家族愛に関しては、小説や映画ではよく読んだり観たりしてたんですが、劇では(思えば)初めてでした。
感想は
めちゃくちゃ心にぐさっと刺さった……
しばらく呆然としてました………
最初はね、
「演技の勉強!すごい役者さんたちの素晴らしい演技見て学ぶぞ!」
みたいな気持ちが強くて(もちろんお話も楽しみだったかどう)、でも観ているうちにどんどん引き込まれてましたね……
でも、動きに無駄がなく自然で美しい…それでいてかつ役らしい動き…。さすが…。
台詞もすごい聞きやすいんだけど、自然でやや洋風?な感じがしたな。
とか考えてました。
ここから、ちょっとネタバレありで話します。
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両親の離婚がきっかけで、何にも興味が持てなくなってしまった17歳のニコラを、母と、新しい家族を持った父と再婚相手と二人の小さな子供、みんなで救おうとするお話。
父がニコラに、元妻(ニコラの母)に、今妻に
「すべて上手くいく。」
と何度も言う。
その言葉の軽さと重みがずしんときました。
ニコラのことを理解しようとするけど父も母も理解できない。自分の型の中に当てはめて理解しようとし、愛情で何とか真っ当に生きられるようにするけどうまくいかない。
「生きる意味がわからない」
「なぜこうなってしまうのかわからない」
とひたすら「わからない」気持ちに悩まされるニコラ。
その不安感がすごく伝わってきて、私自身もそう思う時あったから、その時のしんどさを思い出しました。
「生きる意味」なんて、私は何でもいいと思ってて。ただ前向きに生きていけるなら。
前にTwitterか何かで
「好きな漫画の続きが読みたいから生きてる。
好きなアーティストの新曲が聴きたいから生きてる。」
って見かけたことがあるんですが、そういうのいいなぁって思ったんです。
でも、本当にしんどい時ってそういうのも思いつかない。
それをまざまざと思い出させられました。
あと、ニコラが父の新しい家族と一緒に暮らすんですけど、そこが本当に地獄で……。
父が浮気して、実母を捨てて新しく選んだ家族と暮らしている。
その中に入っていくって(実母と二人で過ごすのは限界だから父の新しい家族と一緒に暮らしたいとニコラから申し出た話ではあるんですが)、しんどすぎる……。
再婚相手の妻も、父から頼まれたこともあり、何とかニコラとうまくやっていこうとするんですが、どんどんお互いに、全員にストレスが溜まっていくのが………。
ええ、始終精神が抉られました。(良いこと)
皆ニコラのことが大切で、愛情をかけているのに噛み合わない。
愛ゆえに盲目になっていく、視野が狭くなっていく様がすごく美しく残酷に描かれていて、最後の方はもう…( ; ; )
相手のためを思うことのはずの『愛』って何なんだろうな。
相手を救うためには、どうすれば良かったんだろうな。
相手の状態について知識を持つこと?客観的に見ること?
でもそれ、私当事者になった時できるのかな?
でも、意識しておきたいなぁ。
なんて、見終わってからそんなことを悶々と考えております。
すごく良い劇でした。観れて良かった。
なんなら父の方も観てみたかったな。くぅ。
そういえば、リストカットについて。
昔読んだ小説で
「自分を傷つけることで、自分が生きているんだと実感する。
こんな自分が生きている、生きることで誰かを不幸にしている(このお話の場合家族を)という罪を、自分を傷つけることで贖罪している。」
なんていう表現もあって。
今回は
「傷つけて血を流すことで、一緒に苦しみを流す」
という考えでした。
正直私は痛そうで出来ないけど(まずやっちゃだめだけど)、そういう考えを持つ方もいるんだよな。。
わからなくもない……けど、もし近くにやってる方がいたら止めたいな。どう止めたらいいんだろうな。
頭ごなしに「やめて」っていうのは違うよな、理解するところからだよな…。
なんて、こちらも悶々と考えてます。
いつか、解決策の1案くらい見つかれば良いな。